2016 大学進学&就職報告
公立高校入試が終わり、落ち着いたと思われるこの時期。
塾というものを知り尽くしている塾生達は、この時期を狙って、進学&就職報告に訪れてくれます。
生徒達と当時の思い出話に花を咲かせることは、私にとって本当に楽しい時間なんですが、こんなおっさんと話しても、ちっとも楽しくないだろうに、という思いが年々強くなってきて、最近は以前に比べれば遠慮がちになっています。
それでも、遠くに転職したにも関わらず、ここまで会いに来てくれるというのは、本当に塾長冥利に尽きます。
今週、ここまで来てくれたのは、大学合格を決めたO君と、就職が決まったHさん。
O君は、西乙訓高校から、琉球大学に進学とのこと。小学生の頃、西京中合格という夢を叶えてあげられなかった私ですが、そのまま引き続き中学部にも通ってくれました。
その後の高校受験、大学受験に関しては連戦連勝の負け知らずとの事で、失敗したのは中学受験だけやと力強い言葉を頂きました。きちんと中学受験の失敗を、後の人生に活かせたということですね。
実は、彼が中3の時に、私が2月いっぱいで退職し、こちらの塾に移ってきたので、入試までの最後の1週間は私不在の状態だったという、私にとっては後ろめたい思いでいっぱいの世代。
日曜日だけ前の塾に出勤させていただき、入試前の最後の補講をしたものの、転職先にも慣れておらず、そちらの準備で手一杯で、満足な補講が出来たかどうか。
そんな彼から出てきた言葉が、「西乙訓を奨めてくれて、本当にありがとう。素晴らしい高校3年間やったわ~」というものでした。
彼を連れて行こうとした店は、まさかの改装中。それならばと、連れて行った2軒目は、まだ12時前にも関わらず既に完売の看板が・・・という私の見せ場はなく、逆にO君のお薦めの店に連れて行って貰い、そのリーズナブルな価格と料理のボリュームにおしゃれな感じに、すっかりはまってしまった私。
いやいや、完全に立場が逆ですね。小さかったO君が、いつのまにこんなおしゃれなお店をと思いつつ、なぜ、琉球大学を選んだのか、なぜその学部なのかを尋ねたところ、返ってきた答えが素晴らしすぎて、高校の3年間は人を大きく成長させるという事に改めて気づかされた次第です。
高校選択の大切さ。それは、数多くの生徒の3年後を見ているからこそ分かる、言える事であります。幸い、「この生徒がこうなったか~」という場合、ほとんど驚くほどの成長を感じさせるケースが大半ですので、その意味において、塾生に失望するというケースはありません。
うちの教育が良かったから、と言いたいところですが、ほとんど生徒の力でしょう。ただ、少なくとも、その生徒の成長の一助にはなったかなとだけは自負させて下さい。
さて、今度はHさん。メールでお誘いを受けたのは実はもっと前だったのですが、何だかんだと、この時期まで伸ばし伸ばしになってしまってました。O君と違い、こちらは22歳の成人ですので、お酒の席で。
中学時代、「K中ではHさんが一番だ」と言われていた程の美人さんなのですが、残念ながら顔出しは出来ません。
Hさんも西京中にまさかの不合格でしたが、その後の活躍はすさまじく、高校受験では、洛南と嵯峨野こすもす科に合格し、嵯峨野に進学後、大学受験では京大に見事合格しました。
そういえば、Hさん世代は嵯峨野3名、西京3名 合格するという優秀な世代でした。
当塾に掲示してある定期テストの「歴代の塾生に挑戦」にも高得点者としてよく登場していますので、Hさんと聞いてピンと来た生徒さんもいると思います。
思えば、あのランキングに載っている生徒は、皆京大をはじめとする難関大学に進学しています。逆に言えば、中学の時は凄かったけど、高校でダメになったというケースが当塾で過ごした生徒には、なぜかあてはまらない。
歴代ランキングに載っている子達の進学先は、すべて記憶していますので、生徒には、「この子は、高校は西京で、大学が京大で、電通に就職して・・・」などと言って聞かせることが多いのですが、そういえば「ランキングには載っているんだけど、この時がピークやったな」という話をした事はありません。
むしろ、高校で更にパワーアップしている感すら受けます。
とある私学の先生からも、「先生のとこの生徒、本当によく勉強するし、鍛えられている感じがします。どこの塾で過ごすか、というのは大きいですね。先生のとこの生徒さん見ていると、本当にそう思います」とおっしゃっていただきました。
塾のあり方として、私の目指している方向の1つなので、最大級の褒め言葉だと受け取っています。
ただし、実際は、そんな簡単な事ではなく、このHさんも、高校進学後に勉強に悩み、ある日、私の所に相談しに来たことがあったそうです。
彼女の相談に、私は「好きなことをして、とことん落ちるところまで落ちてみたら?」と言い放ったそうです。
そして、彼女は私の言葉通り、校則で禁じられているはずのバイトを目一杯入れ、高校生活を謳歌したわけですが、その結果、数学で赤点を取るというどん底状態にまでなったのだそうです。
我に返ったHさんは、ご両親に頭を下げ、ハイレベルの塾に通う費用を出して貰い、そこから本気で毎日頑張り続け、成績はV字回復。ほとんど最下位に近い状態から、入試直前には20番以内まで戻したそうです。
「あの時の塾長の言葉がなかったら、私はそこそこの成績で、そこそこの大学に行ってたと思う」と、感謝の台詞をいただきましたが、実は当の本人は全く覚えていません。
当時の私が、どういう思いでその言葉を口にしたのか、私でさえ分かりませんが、1つだけ言えることは、性格の面、能力の面で彼女を信頼していた、という事です。それだけは、はっきりと覚えています。
生徒は、我々の言葉を、何年経ってもこんなにもしっかりと覚えてくれています。
何年か経って、その時の言葉を思い出と共に語ってくれる生徒さん。その話し方、その内容、立ち居振る舞いに、中学時代の面影などまるでなく、1人の立派な社会人が目の前にいる。
毎年、こういう体験を味わう度に、成長していないどころか劣化してるんじゃないかとさえ思う自分自身に嫌気がさしながらも、成長した生徒さんと語り合えるという楽しい一時を過ごせることに感謝しています。
いつまで、こうして卒塾生が私の下まで来てくれるのか分かりませんし、転塾の影響か、昔に比べれば訪問者数も減っているので、この楽しい時間をいつまで持てるのかは自信はありませんが、この子達の結果を見れば、自身の方向性を軌道修正する必要もなく、同じ方針で今後も突き進める事に、今のところ安堵しています。
さあ、来週からいよいよ新学年スタートです。中学準備授業以外、授業がなかった今週ですが、毎日のように顔を出してくれた生徒さんもいました。ブレることなく、今年もガンガン行きます。歴代に掲載されるよう頑張ろう!!
追伸
今春の卒塾生も負けじとやって来ました。何と着物姿で!!これには驚きましたが、馬子にも衣装ですね。
イベントの一環だそうで、本日は200名ほどの着物美人が京都を散策していたようです。
「着物を広めに塾に来てどうすんの?」と突っ込んでおきましたが、業者の方にも見てもらえましたし、北野天満宮にも御礼に行ったそうですし、まあいっか。
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