2014 若き講師達に思いをはせて

2014 若き講師達に思いをはせて

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ブログを再開してから、他の塾人の方のブログやツイッターを再び見るようになった。

その中で、ある方が絶賛されていた学生講師の方のツイッターを目にしたとき、その泥臭く青臭いけれども、生徒を伸ばしたいと願う熱き思いに触発され、塾講師を始めたばかりのことを思い出したので、ここに書き留めておきたいと思う。

私が塾講師を始めたのは、学生の頃アルバイト先を探していて、単にその高い時給に心を奪われた事がきっかけだった。決して志高き動機があったわけではない。

今でも覚えているのが、面接で、白紙の履歴書をその場で書いている私に、「それは不利だな」と冷たく言い放たれたことと、長所を聞かれ「我慢強いこと」と答え、短所を聞かれ「短気なこと」と答え、「矛盾しているな」と呆れられたことである。

不採用を確信していた私であったが、結果はなぜか採用。その時面接していただいたN川先生が「履歴書に写真も貼ってないやつなんて」と周囲が反対する中、粘り強く押してくれた結果だと後に聞いた。

さて、その粘り強い推薦に私は1年目は応えられたのかというと、ノーと言わざるを得ない。

ベテランの先生の突然の退職の埋め合わせとしての採用だったため途中交代なので、どうしても前の先生と比較される。中3には「新人?学生?大丈夫なん?」という空気がながれ、夕方の小学生は「やったー、前の先生と違って、こいつなら遊べる」とワンダーランド状態。

雑談に持ち込んで授業を回避しようとする生徒の試みに、私もそれを自分が受け入れられていると錯覚し、それにまんまと乗ってしまい、全く授業が進まないまま終わるクラス。 週3日の勤務のうち2日がこの状態。K教室の日だけ何とか形になっていた(と思っていた)ので、オアシスだったクラスでさえ、後に聞いた生徒の評価は散々なものだった。

とにかく、生徒に受け入れなければと、そればかりを考え、「指導する」とか「育てる」とか、とてもそんな余裕のないまま1年目、正確に言えば6月からの7か月間が終わった。

ただそれでも不思議と辞めたいとは思わず、むしろなにくそと積極的に関わりたいとさえ思い、 休みの日は、四条の本屋へ行き、参考書を読み漁り、知識と授業向上のヒントを探し求めた。もし当時、今ほどインターネットが普及していれば、毎日塾人たちのブログを読みあさっていたと思う。

1年目で得た経験をもとに、板書の仕方、生徒への語り口、全てを変えて挑んだ2年目、1年目とは比較にならない変化があった。生徒の反応が1年目と全く違うのだ。「先生」として扱われる日々、それも、信頼されている、頼られていると感じる日々に、出勤日ではない日にも出勤して、プリントなどを作成し、ほぼ毎日塾にいた。


そうして迎えた最後の授業の日、いったん教室を出た生徒が数名戻ってきて、「理科が得意になったのは先生のおかげ。本当に今までありがとうございました。」と深々と頭を下げたのである。これには本当に驚いた。

 

その後、突然理科の復習を始めると言いだし、問題を出し合う生徒達。「はい、オームの法則は?」「バ・オーム」、「密度の公式は?」「おーTバック見た」、「星の見える方位を考えるときは?」「これ~」(と言いながら、私が天体の授業の時に図に書いた姿勢を真似してみせる生徒達)

「入試、頑張ってこい。絶対に合格しろよ」と生徒を送り出した後、しばらく教室を出ることが出来なかった。 また、その日がアルバイトではなく、職業として塾をやってみたいと思った瞬間でもあった。  


最近、とある塾の広告に掲載している専任講師と学生講師の比率が現状とかけ離れていると問題にされたことがあった。それがきっかけになったのかどうかは知らないが、塾に対する規制の動きがあり、近い将来、専任講師、学生講師の比率を広告やHPに明記しないといけない時代が来るらしい。

 

「学生講師が多い」ことを、あらかじめ選ぶ側に示さないといけないということらしいが、根底にあるのは、「学生講師は駄目」という考えであろう。

しかし、ツイッターなどで熱くつぶやく学生講師を見ると、決して学生講師が駄目だとは思わないし、とある塾でバイトをしている卒塾生が、「塾にはまるやつはめっちゃはまる。そいつらは、下手な専任よりすごいで」と言っていたように、生徒に年齢の近い若者の方が、熱い思いは届けやすいし、我々よりもダイレクトに生徒のドアをたたくのであろう。

べたな例で申し訳ないが、いま人気の福○蒼汰が講師の場合、たとえ授業が下手で首にされそうになっても、生徒達が「先生を首にしてなるものか」と独学で頑張り、結果、全員の成績が向上するだろうことは想像に難くない。つまりは、そういうことだ。

そんな可能性のある彼ら若き講師達に、そのままこの業界に留まってくれないかなと強く願っている。そのためには、魅力がこの業界になくてはいけない。

当時21歳だった2年目の私が、現在の私をどう見るのかという視点に立って、私たちも、こういった若者がこの業界にすすんでみたいと思わせるような人物とならなければならない。

ただ、21歳の私が、今の私を見ると・・・まず、独身であることにがっかりするだろうな。彼には会わせる顔がない。

追伸

頑張っている若者は、学生講師だけではありません。音楽の道に突き進んだ若者がいます。

私のかっての教え子(山下君 vo)がついにメジャーデビュー。

WAR-ED(ウオード) 「光を探して~未来の君へ~」

駿台のCMソングに使われた曲です。最近、ここにアップされていますので、是非聞いてください。

弟の面段の時、お母様が嬉しそうに、CDを見せてくれたのが、今から数年前のこと。メジャーデビューを誰よりも喜んでいることと思います。弟の進路よりも、兄の話が大半だった面談でした。本当にいい曲です。

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