
2026 開建高校
塔南高校
開建高校―その前身となった塔南高校は、以前、南区の塾で塾長をしていた私にとって、数多くの塾生たちが進学した、なじみ深い学校でもあります。
公立高校入試が総合選抜制度、いわゆる「バス停方式」だった時代、「塔南高校にどうしても進学したい。おばあちゃんの家に住所を移すのはあり?」という相談を、いったい何件受けたことでしょう。当時の塾生たちにとって、塔南高校はそれほど人気のある高校でした。(もっとも、同じエリアにあるもう一つの高校と比較したうえでの人気ーという側面も否定できませんが・・・)
一方で、その後の大学進学については、当時、堀川・嵯峨野の専門学科に進学した塾生は別格としても、桃山・鳥羽のⅡ類、また京都橘・京都成章に進学した塾生たちと比べても、期待されるほどの結果を出せていないように感じていて、いつしか積極的に勧めることはなくなった上に、私自身も北区の塾に転職したこともあり、塾生達の口から「塔南高校」という名前を聞くことは、すっかりなくなっていました。
京都で一番新しい公立高校
全く新しい普通科
塔南高校を洛陽工業高等学校跡地へ移転・再編し、これまでにない「新しい普通科系の学校」を掲げ、2023年4月に開校した京都で最も新しい公立高校。それが開建高校です。
最大の特徴は、L‐podという普通教室4つ分の広さをもつ空間です。書き込みのできるホワイトボード壁で4つに分けられているのですが、可動式なので、1部屋から最大4つの部屋まで分割可能です。
80人の生徒と3人の教員を基本単位に、壁と机を自由に移動させることで、発展、標準、基礎などの習熟度別や自習中心、じっくり説明を聞きたいなどの「学び方別」に分かれたり、各生徒自身の学びに応じた授業が行われています。
他にも、学校×社会を学びのフィールドにした様々な取り組みも行っています。金曜の午後は、全学年探究の時間になります。生徒が「やってみたいをやってみる」を合い言葉に生徒がやってみたいことを企画し、仲間を集めて活動するNew HORIZON Dayや様々なプロジェクト活動が行われています。
・地域の子どもたちを招待しての「餅つき大会」
・京都の食材をいかしたおにぎりを開発する「おにぎりプロジェクト」(大丸にて販売されているそうです)
また、開建FabLabとして、3Dプリンター、レーザーカッター、UVプリンター・ペーパーカッターなども完備されています。

受験生の動向その1
京都市の肝いりでスタートした開建高校。「新しい普通科」という看板を掲げ開校したわけですが、その取り組みがどのように受けとめられているのか、ひとつの指標となるのが、志願者倍率です。ここ数年の数字をまとめてみました。

塔南高校の最終年度、志願者倍率が1.64倍と高倍率。この世代は、入学後も塔南高校のカリキュラムで学ぶことになり、新校舎を使えるのもわずか2年間。それでも高い倍率となったのは、新しい学校への期待に他なりません。
一方、開建高校初年度は1.43倍と、一見すると倍率が下がったように見えますが、塔南時代とは前期・中期の募集定員の比率が変更されているため、単純に比較はできません。その後、三期生までは倍率が上昇しており、人気の高まりがうかがえます。
受験生の動向その2
人気が高まると、自然と受験する層のレベルは上がります。五ツ木・京都模試は、第一志望者の平均偏差値を公表していますので、それをもとに同時期の開建高校を志望している生徒の平均偏差値を比較してみました。

どう思われましたでしょうか。今年度の結果を待つしかありませんが、データは嘘をつきません。文章にしてしまうと1人歩きしてしまいます。感じている事は、そっと胸の中にしまっておきます。
1期生の大学進学状況
今年度待望の1期生が卒業しました。「大学名だけが全てではない」とはいえ、やはり、大学進学実績にはその高校のあり方が表れるものだと思っています。実際に各高校の進学実績を調べ、数字を入力していくと、不思議なもので、それぞれの高校の特徴や違いが何となく見えてきます。
塔南高校時代の実績と比較しても意味はありませんが「どう変わったか」を保護者に説明する義務が我々にはありますので、「まだ、成果とよべるものは」と言わざるをえないのが正直なところです。

大学入試では、一般選抜で進学する生徒が半数に満たない時代になっています。開建高校が力を入れている探究学習は、推薦型選抜や総合型選抜との相性は良いはず。
もちろん「そのためにやっているのではない」と言われそうですが、探究学習を通して身につけた力が、大学入試にすら成果となって表れてこないようなら、その先にはつながらないとは思います。
新しい教育の形を掲げる開建高校だからこそ、その取り組みが進路実績にどう反映されていくのか、今後も注目していきたいと思います。
卒業生
冒頭で書いたように、北区の生徒が全く口にしなかった高校に、これまでに3名が進学しています。1人は1期生で、今春卒業しましたが、現在、弟君が第一志望として考えています。もう1人は高2で、ダンスが得意な生徒。もう1人は野球部に所属しています。
校舎の移転が大きな要因なのかもしれませんが、開建高校となってから、当塾からも進学する生徒が出るようになりました。今年も志願者が1名います。
塾生が通う学校には、自然と関心が向くものです。これから開建高校がどのような進路実績を積み重ね、どんな特色を持つ学校へと成長していくのか。今後も注目していきたいと思います。
伸学アルファ塾長 香口雄一
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